HEMSとは「Home Energy Management System」を略した言葉です。ヘムスと読みます。日本語では家庭用エネルギーマネジメントシステムなどと訳されることもあります。

家庭のエネルギー管理を行うためのシステムで、主に「エネルギーの見える化」と「エネルギーの制御」という2点を実現するために開発されました。

電力やガスや水道などといった家庭内のエネルギー使用量をリアルタイムで見ることができるほか、エアコンや照明などといった機器を自動操作したり遠隔操作したりすることもできます。

ちなみに、オフィスビルや商業ビルのエネルギー管理を行うシステムを「BEMS」、工場のエネルギー管理を行うシステムを「FEMS」と言います。いずれも規模や詳細な機能が異なるだけで、基本的な概念はHEMSと同様です。

HEMSができること

「HEMS=○○である」といったような厳格な定義はありませんが、家庭内のエネルギーを管理することによって省エネを実現するシステムのことを意味します。

これまで私たちは自宅のエネルギーを管理するという発想があまりありませんでしたが、HEMSを導入することで管理することができ、省エネに繋がるのです。

ただ、もともとはHEMSは特定の機器を指す単語ではなかったのですが、HEMSの役割の1つであるエネルギー消費量を表示するモニターや測定装置のことをHEMSと言うことも増えてきています。

エネルギーの見える化

HEMSの最大の特徴は「エネルギーの見える化」をすることができるという点です。

HEMSを導入することによって、家庭におけるエネルギー消費量をモニターやパソコンやタブレット端末などを通じていつでも確認できるようになります。

測定の対象

HEMSには、電力のみを測定するタイプや、電力に加えてガスや水道の使用量も測定できるタイプなどが用意されています。商品によって異なりますが、主な測定対象は以下の通りです。

  • 電力使用量
  • 水道使用量
  • ガス使用量
  • 蓄電池の充電量
  • 太陽光発電の発電量
  • 電気自動車の充電量
  • プラグインハイブリッド車の充電量
  • 燃料電池(エネファームなど)の発電量

省エネ

これまでは毎月電力会社やガス会社から送られてくる使用量の明細書を見るまでは、実際にどれだけのエネルギーを使用したか把握することができませんでした。

また、送られてきた明細書を見ても総使用量と料金が掲載されているだけで、どの電化製品やガス機器がどれだけのエネルギーを使用したのかを知るすべはありませんでした。

しかし、HEMSがあれば、今日の使用量はもちろんのこと、昨日や先週などの使用量もすぐに確認できるのです。

どの設備がどれだけを使っているのかも分かりますし、数時間後や翌日などの使用量を予測して、省エネに関するアドバイスもしてくれます。

「どの家電がどれだけの電力を使用しているのか」「どのガス機器がどれだけのガスを使用しているのか」などといったことがリアルタイムかつ数値で把握することができるようになるため、省エネへのモチベーションも高まります。

創エネ

エネルギーの見える化によって見えるようになるのは電力使用量だけではありません。自宅に設置されているソーラーパネルと繋いで、太陽光発電による発電量を確認することもできます。

天気予報と共に発電量を予測する機能をもつ機種もあります。

蓄エネ

ソーラーパネルと共に一般家庭への普及が進んでいるのが蓄電池です。

HEMSと蓄電池を連携させることによって、「蓄電池の充電状況の表示」や「蓄電池内の電力を利用した省エネ行動」などを行うことが可能となります。

エネルギーの制御

前述の見える化と並んで大きな特徴と言えるのが「エネルギーの制御」です。

HEMSを導入するとタブレット端末やスマートフォンなどを通じてエネルギー使用量を確認することができるようになりますが、実は確認するだけではなく、そこから更に一歩進んで制御することもできるようになります。

例えば、エアコンであればリモコンで、照明ならスイッチで操作するのが一般的ですが、HEMSを導入すればタブレット端末やスマートフォンを通じて制御できるのです。

家の中にいるときはもちろんのこと、外出中でもお手持ちのタブレット端末やスマートフォンなどでインターネットに接続し、ネット上の操作で電化製品を制御できます。

また、単純な遠隔操作だけではなく、細かな条件を指定して電化製品の出力調整や電源のオンオフを制御することもできます。

こちらも例を挙げると、エアコンなら「○度を超えたら風量を小さくする」「電力消費量が設定量に達したら電源を切る」、照明なら「○時から段階的に照明を落とす」などといったことができるようになります。

ただし「制御」に関しては「見える化」にはない注意点があります。それは電化製品側がECHONET Lite(※)に対応している必要があるという点です。

最近は対応機種がどんどんと増えてきていますが、以前として旧式の未対応の製品をお使いのケースも多く、それらの製品はHEMSの「制御」を活用することができません。

(※ECHONET Lite:エコーネットライト。HEMSと各電化製品の通信を可能とする通信規格。国際標準化されている。)

HEMSの仕組み

HEMSの仕組み
※イラスト出典:一般社団法人 環境共創イニシアチブ(削除済み)

ここまでエネルギーの見える化と制御の話をさせて頂きましたが、続いてHEMSの仕組みをご紹介したいと思います。専門的な技術に関するところまで解説すると難しい話になってしまいますが、概念的な部分はいたって単純です。

  • 家庭の電化製品を無線のネットワークで繋ぐ
  • 分電盤に電力測定用のユニットを設置する(コンセントにユニットを設置するタイプもあり)
  • ユニットが測定したデータをタブレット端末やスマートフォンなどで見る

以上の3点だけです。なお、分電盤に関してはメーカーによっても異なるのですが、電力を計測したい場所にタップを外付けするケースや、これまでの分電盤をHEMS専用の分電盤に交換するというケースもあります。

電力測定用のユニットは無線のネットワークで中継器や情報収集装置とも繋がっていて、屋内のタブレット端末やメーカーの専用サーバーに情報が送られるという仕組みになっています。

主な設備

設備 解説
無線ネットワーク 電化製品を無線ネットワークで繋ぐ
電力測定器 分電盤に電力測定器を設置し、使用電力を測定
タブレット端末 発電量や電力使用量などを表示する端末

メリット

まずはHEMSのメリットをまとめてご紹介します。基本的にはどれも「エネルギーの見える化」あるいは「エネルギーの制御」に関連した内容となります。

  • 電力・ガス・水道の使用状況が見えるようになる(エネルギーの見える化)
  • 電化製品の自動操作や遠隔操作が可能となる(エネルギーの制御)
  • 補助金制度が用意されている
  • 過去のデータと比較することができる
  • 子どもも楽しみながら省エネに取り組める
  • 電力使用量が数値化されることによって、省エネや節電へのモチベーションが上がる
  • 蓄電池や給湯器や電気自動車など、様々な設備と連携することができる
  • 電気料金の高い昼間は太陽光発電や蓄電池の電力を使用して、電気料金の安い夜間は電力会社の電力を使用することで電気代を節約できる(ピークシフト・ピークカット)

特に面白いなと思うのは「子ども」についてのメリットです。

HEMSはその日のエネルギー使用量に応じてポイントやスタンプなどで評価されるという機能を持った機器が多く、小さい子どもは特にこれらの評価に喜びやすいため、自ら積極的に節電や節水などといった省エネ活動に取り組んでくれるという報告もあります。

デメリット・課題・問題点

エネルギーの未来を担うHEMSですが、良いことばかりではありません。これから更なる普及に向けて、乗り越えていかなければならない課題や問題点も残されています。

  • コストメリットがさほど明確ではない
  • 蓄電池や太陽光発電と比べると知名度が低い
  • HEMSの通信規格「ECHONET Lite」に対応していない電化製品がまだまだ多い

主な課題は以上の3点です。

1.コストメリットの問題

まず最初に立ちはだかっているのが1番目のコストに関する点です。

導入することでエネルギー管理の効率化が進み、水道光熱費の節約になることはもちろんなのですが、一方で導入するための初期コストがかさんでしまうため、コストメリットがさほど魅力的に感じられないことも少なくありません。

国が導入を支援しているため、補助金制度も設けられていますが、やはり初期コストがある程度は発生してしまうということもあり、自ら進んでHEMSを導入しようとする家主は多くはありません。

2.知名度の問題

2つ目は、HEMSという言葉自体を全く知らないという方や、言葉自体は知っていても何のことだかよく分からないという方がとても多いという課題です。

同じエネルギー設備でも、太陽光発電やエネファームはかなり知られるようになりましたし、電気自動車やZEHなどといった言葉もメディアで見聞きすることが増えてきましたが、「HEMS」という言葉を見聞きすることはまだ少ないです。

このようにあまり知られていない、言わば得体の知れないものをお金を払ってまで導入してみたいという方は少数派でしょう。HEMSを各家庭に普及させるためには、官民共に、より積極的なPR活動が必要と言わざるを得ません。

3.未対応製品の問題

最後の3つ目は、HEMSで電化製品を自動制御したい場合には「ECHONET Lite」に対応している電化製品でなくてはいけないという課題です。

これから登場する製品については対応するものも増えていくことが予想されますが、まだまだ未対応の電化製品をお使いのケースが非常に多く、それらの製品に関しては自動制御は行えません。

主なHEMメーカー一覧

HEMSの主なメーカーをご紹介します。かつては東芝や因幡電機産業などの大手メーカーも多数市場参入していましたが、現在は以下の4社がシェアのほとんどを占めています。

中でもシェアトップを走るのがパナソニックで、同じグループ会社のパナソニックホームズのZEHにも標準搭載されています。

メーカー HEMS商品
パナソニック パナソニックでは「AiSEG2」と「ECOマネシステム」というサービスを提供しています。前者は見える化だけではなく電化製品や蓄電池などとの連携が可能なタイプのサービスで、後者は新築を対象とした見える化だけを行うサービスです。
NEC NECでは「クラウド型HEMS」というサービスを提供しています。NECの専用サーバーにデータを保存するため、パソコンやスマートフォンなどを使ってインターネットを通じていつでも情報を確認することができます。
シャープ シャープでは「クラウドHEMS」と「クラウド連携エネルギーコントローラ」「ロボホンライトヘムス」というサービスを提供しています。3つ目のモバイル型ロボット「ロボホン」と連携したHEMSは、音声対話も可能な珍しいHEMSとなっています。
NTT東日本 NTT東日本では「フレッツ・ミルエネ」というサービスを提供しています。インターネット通信サービスのフレッツ光に加入していることが条件となりますが、かなりの低価格で利用することができるため、人気が高くなっています。

HEMSを導入した方の感想

評価:4.60(5)

30代女性 地域:東京都
満足度 5.0

パナソニックのHEMSはおすすめです

HEMSの導入にあたって、私はパナソニック製のものを選びました。なぜこれにしたかというと、シェアがナンバーワンであると聞いたからです。

実際に導入をするまで、HEMSについてほとんど知識がなかったので「とりあえず人気の高いものを…」といった軽い気持ちで選びました。

HEMSを導入して良かったと思うことは、家族全員に節約意識が身についたことです。

今まで省エネといってもなかなか実行に移せていなかったのですが、電気使用量や発電量がリアルタイムで表示されるので「節電をしなければ」という気持ちを持てるようになりました。

また、時間別の電気の消費量や電力の自給率もすぐにわかるので、その点も良かったです。グラフ化されているため、一目瞭然でわかりやすいと思いました

40代女性 地域:神奈川県
満足度 5.0

便利でエコ

私たち家族は、HEMSを利用してから電気の無駄を減らせるようになり、月額料金も微々たるものですが、安く済ませられるようになりました。

パナソニックのHEMSは、電気をどれだけ使っているのか、自分の目で見ることができるので、電気の節約にも繋がります。また、部屋ごとに室内温度から空調をコントロールすることができ、子供部屋の温度も適切に管理できます。

更に、携帯からオンとオフもすることができて便利です。私の場合、消し忘れがよくあるので、出先の時は必ず携帯を見て、消し忘れは無いか確認するようにしています。

こうして電気の管理ができるので電気代の節約にも繋がります。とてもエコだと思います。

30代男性 地域:奈良県
満足度 5.0

帰宅チェック機能が特に便利です

昨年、マイホームを購入した際にHEMSを導入しました。最初はそこまで興味がなく、「せっかくなのでつけておこうか」といった程度の気持ちでした。

新しい家に住み始めて、目の付くところにHEMSモニターを置いていたので、「今日の消費電力や発電量や売電量はどの程度だろう」と、徐々に気になって、少しづつHEMSの情報を確認するようになっていきました。

日々の数字が気になってくると、他にどんな機能があるのだろうと気になりだして、洗濯終了のお知らせや、エアコンの付けっぱなしお知らせ機能を活用するようになりました。

他に便利だなと感じたのは帰宅チェック機能でした。子供が小学校に通っているのですが、子供が帰宅時に妻がパートで出ていることがあり、ちゃんと帰宅したかどうかが心配でした。

HEMSの帰宅チェック機能があれば、指定した回線の電気の使用量で帰宅したかを確認することができます。仕事場にいても帰宅したことが確認でき、とても安心することができるようになりました。

今では普段の生活に必要なものになっています。

40代男性 地域:神奈川県
満足度 4.0

最初は物珍しさで見てたけれど…

太陽光発電を導入するときに、HEMS設置費用が補助されて実質無料になるので、同時に設置しました。各部屋の消費電力が可視化され、節電に対して効果があると思いました。

導入直後は興味もあり、どの部屋がどれだけ消費しているなど、毎日見ていましたが、時が経つにつれ、その頻度は減少傾向。現在はほぼ見ていません。

我が家は特に節電意識が高いわけでなく、太陽光導入についても環境問題ではなく、経済的な理由でした。多くの家庭がこのような状態でないかと思われます。

HEMSの効果を出すためには、家族全体で節電に対し共通認識を持つ必要があります。

また、HEMSの機能についても、特定の家電の消費電力を監視し、節電効果を上げるためのアドバイスをするなどの機能を持たせると、更に効果が上がると思います。

20代女性 地域:長崎県
満足度 4.0

正直、使い切れていません

セキスイハイムで家を建てたのですが、HEMSの設置は必須でした。設定は業者がしてくれますが、そこまで活用できていません。

月々の電気料金の比較や、どの部屋の電力消費が最も大きいかなどを見ることができますが、太陽光パネルを乗せて自家発電していると、節電の意識が薄くなり、見る機会が減ります。

また、太陽光パネルでの発電量や消費量は、太陽光パネル専用の画面から確認することができるので、HEMSはあまり有用に利用できていないように思います。

実際、HEMSがなくても今のところ困っていませんが、HEMSがあれば遠隔操作ができるということなとで、これからもし外出先でエアコンの消し忘れなどに気づいた時は使用してみようかと思います。

注文住宅&お金で後悔しないために

注文住宅を建てるにあたって、後悔しないための重要なポイントが3つあります。それは…

  • 複数の会社から資料をもらって各社の特徴を掴むこと
  • 複数の会社から見積もりをもらって総費用を比較すること
  • 多くの間取りプランを見比べて、間取りアイデアを盗むこと

お金に関して言うと、同じような間取りプランでもハウスメーカーによって500万円以上もの差がつくこともありますので、相見積もりは必須です!

間取りに関しても、これまで気付かなかった素敵な間取りプランを参考にすることで、家づくりが一気に進むので非常におすすめです。

ですから、理想のマイホームのためにも上の3点は必ず行うべきなのですが、1社ずつやろうとすると手間も時間もかかって面倒…。

そんな面倒をまとめて解消できるのが「タウンライフ家づくり」です。

タウンライフ家づくりの特徴

タウンライフを使えば…

  • 各社の資料を読んで特徴や強みを把握できる
  • 各社の見積もりを比較して、より安い会社を見つけられる
  • 各社から自分オリジナルの間取りプランを作ってもらえる
  • 土地を持っていない場合、希望エリアの優良土地情報も提供してもらえる

100万人以上に利用されているサービスで、もちろん無料で利用できます。

当サイトでも口コミを掲載していますが、満足の声がとても多いです。ぜひ気軽に利用してみてください。