蓄電池とは電気を電池内に蓄えておく機能をもった電池のことです。二次電池・充電池・バッテリーなどと呼ばれることもありますが、蓄電池と表記された場合は定置型の比較的大きなシステムを指すことが多いです。

電気を蓄えておけるため、いつでも好きなときに電気を使えるのが最大の長所です。災害や事故などによって予想だにしない停電が起こったとしても、蓄電池があれば緊急的に様々な電化製品を使用できます。

かつてはあまり注目されていなかったものの、非常用電源としての役割も果たすことから、一般家庭への導入事例も増加しています。なお、家庭用商品は「家庭用蓄電池」と表記されることもあります。

蓄電池とは

電気を蓄えると書いて「蓄電」です。ただ蓄えられるだけではなく、もちろん使う(放電)こともできます。電気を使っては蓄えて、使っては蓄えて…といったように、蓄電と放電を繰り返せるものを蓄電池といいます。

実は、もっと一般に知られている別の名称もあります。「充電池」や「バッテリー」というとすぐに分かるのではないでしょうか。

家庭でもよく使われるようになった充電池、携帯電話やデジタルカメラに使われている電池、自動車に搭載されているバッテリー、これらすべて蓄電池と言えます。

蓄電池が使われている製品

先に自動車やノートパソコンなどに蓄電池が用いられていると書きましたが、他にも色々な場所で利用されていますので、その代表的なものをいくつかピックアップしてみたいと思います。

家庭用蓄電池

当ページでこれから主に解説していくのがこちらの家庭用蓄電池です。

2010年頃から一般住宅に向けた家庭用蓄電池の研究や開発が進められており、当時は市販化されるのは2,3年先と言われていました。しかし、2011年の東日本大震災の影響を受け、各メーカーとも計画を前倒しにして、市販化が促進されました。

もともと太陽光発電との相性がいいことから、新築の住宅にソーラーパネルと蓄電池を設けて販売するというハウスメーカー各社の方針が注目されていました。このような経緯もあり、現在ではZEH住宅やスマートハウスにもよく搭載されています。

自動車・フォークリフト

自動車やフォークリフトなどといった乗り物に搭載されているバッテリーは蓄電池の一種です。容量が大きく、比較的高い電圧を流せるため、乗り物以外にも産業用機械の非常時用バックアップ電源としても使われています。

電気自動車・ハイブリッドカー

バッテリーのみで走行する電気自動車や、ガソリンとバッテリーを組み合わせて走るハイブリッドカーにも蓄電池が使用されています。どちらも普通のガソリン車よりも環境に優しく、またガソリン価格を考慮するとコスト面でも優位に立っています。

ノートパソコン・デジタルカメラ・スマートフォン

これらの電化製品に搭載されているバッテリーや電池パックも蓄電池です。

自動車に使われているタイプのものよりも、繰り返し充電したり継ぎ足し充電したりする点において優れているため、家庭用の電化製品によく使われています。

長期間にわたって携帯電話を使い続けていて、電池の減りが早くなったという経験をされたことがある方も多いのではないでしょうか。これは、蓄電池が劣化してきたということです。

電池カバーを開けてみて、電池パックがふくれあがっているのであれば、それは電池交換のサインと言えます。

仕組み

蓄電池の仕組み
(出典:NECネッツアイ※削除済み)

蓄電池は電池の電極に電源回路を接続して、電流を流すことによって充電します。分かりやすく言うと、太陽光発電システムと連携するか、もしくは直接コンセントに接続して電力を蓄えるのです。

そして、その蓄えた電力をパソコンやテレビなどといった家電に用いるという仕組みです。

活用する方法としては2通り挙げられます。1つは画像のようにピーク時の電力を削減することで電気料金の削減に努めるという方法です。ピークシフトにも繋がり、お住まいの地域の電力の安定供給という面でも役立ちます。

もう1つは非常用電源として使うという方法です。大規模な停電などで電力会社からの電力供給が途絶えてしまっても、大容量の蓄電池があれば様々な家電を長時間使えます。

種類

乾電池にも「アルカリ」や「マンガン」や「リチウムイオン」などといった具合に複数の種類がありますが、蓄電池にも同様に複数の種類があります。

現在、主流となっているのは、家庭用蓄電池やスマートフォンのバッテリーに用いられる「リチウムイオン電池」、電力会社や工場などで使われている「NAS電池」、自動車のバッテリーに使われている「鉛蓄電池」、エネループでお馴染みの「ニッケル水素電池」です。

これらはすべて大きな括りでは「蓄電池」に属するのですが、それぞれ異なる特徴を持っているため、その特徴にあった用途で使用されています。

リチウムイオン電池

正極にリチウム金属酸化物を、負極に炭素材を、電解質としてはリチウムイオンを用いるタイプの電池です。

充電や放電を何度も繰り返したり、継ぎ足して充電したりする機器に適しているため、先に登場したイラストのような定置型の蓄電システムとして用いられているほか、携帯電話やノートパソコンなどといった製品の充電池としても利用されています。

なお、私たちが直接リチウムイオン電池を目にすることはありません。使用法によっては発火する可能性もありますので、安全装置を内包した電池パックという形でしか見られません。

NAS電池

正極に硫黄を、負極にナトリウムを、電解質としてはβ-アルミナを用いるタイプの電池です。「なす」と読みます。日本ガイシが世界で初めて実用化しました。

リチウムイオン電池や鉛蓄電池よりも大型で、より多くの電力を蓄えられることから、電力会社の発電所に設置されているほか、大型工場のバックアップ装置としても活用されています。

寿命も長くてメリットが多い電池ですが、硫黄とナトリウムという危険物を扱うため、日々の安全保守管理を徹底する必要があります。

鉛蓄電池

電極に鉛を使用している電池です。正極に二酸化鉛を、負極に鉛を、電解液には希硫酸を用います。自動車のバッテリーに用いられているのがこのタイプです。

その容量の大きさから、自動車のバッテリー以外にもフォークリフトやゴルフカートなどといった乗り物のバッテリーや、様々な産業用機器のバックアップ用の電源としても用いられています。

世界で最も生産量が多く、かつ普及している蓄電池の一種ですが、電極が劣化しやすいという欠点も持ち合わせています。放電しきってしまうと劣化のスピードがあがってしまうのです。

よく耳にする「バッテリー上がり」という言葉は、車に搭載された鉛蓄電池が、蓄えられていた電気を放出しきってしまった状態を指します。

バッテリー上がりを起こしてしまった際には、新しいバッテリーと早めに交換するように言われますが、それは放電しきると鉛蓄電池の電極が劣化してしまうためです。

ニッケル水素電池

正極に水酸化ニッケルを、負極に水素吸蔵合金を、電解液には濃水酸化カリウム水溶液を用いている電池です。エネループがこのタイプの代表的な製品で、他にはハイブリッドカーのバッテリーなどに用いられることもあります。

エネループが一時期かなりPRされたので、既にお使いの方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。私たちが普段使っている乾電池のように単1・単2・単3…と様々な形状のものがあります。

充電することによって繰り返し使えるので、乾電池よりもコスト削減になりますし、環境にも優しいとして注目を集めています。

メリット

蓄電池のメリットをまとめてみました。蓄電池の最大のメリットは「電気を蓄えておけること」です。

電気はその性質上ストックするのが難しいのですが、蓄電池なら電気をストックしておいて、好きなときにその電気を使用できます。ですので、災害時や緊急時など万が一の時でも、緊急用に電化製品を利用できます。

これからの日本のエネルギー政策を考えていく上で、電気を蓄える技術は非常に重要です。

また、一般消費者の立場から見ても電気代の節約に繋がるなどといったメリットが挙げられます。

  • 電気料金を抑えられる
  • ピークカット・ピークシフトに役立つ
  • 地域的な停電などといった非常時に電源として使える
  • 一般家庭にあるコンセントに繋いで充電できる
  • 太陽光発電システムと連携して、発電した電力を直接蓄えられる

1番目2番目は「電力需要が小さくて電気料金の安い夜間に充電し、電力需要が大きくて電気料金の高い日中に蓄電池の電気を使う」ことで発生するメリットです。特に電力需要の大きい夏場だけでも、この方法でかなりの節約をすることが可能です。

3番目4番目は説明不要でしょう。仮に災害等で広域にわたって停電が発生したとしても蓄電池があれば電気を使えます。

もちろん充電してある分(フル充電でも最大容量分)しか使えませんが、充電してあれば緊急時には十分に活用できます。充電は家庭用のコンセントから行うこともできます。

5番目は「家庭用蓄電池を太陽光発電システムと連携させる」ことによって発生するメリットです。

太陽光発電システムがなくても役立つ蓄電池ですが、太陽光発電と連携させることでさらに電力の地産地消が進み、結果的に電気代の節約にもなります。

デメリット・課題・問題点

メリットがあればデメリットもあるのが普通です。蓄電池も例外ではなく、デメリットがあります。

その中でも最大のデメリットはやはり「価格」です。普及があまり進まない最大の理由となっています。

販売メーカーによっても価格差はありますが、基本的には蓄電容量に比例して価格が高くなります。

マンションの一室にも導入できるような超小型の物でも数十万円はかかりますし、大容量のものだとものだと数百万円もの金額が必要となります。

  • 価格が高い
  • 設置のためのスペースが必要
  • 永遠に充放電できる訳ではない
  • 電気ロンダリング発生のリスク

1番目と2番目はそのままです。それほど大きなスペースが必要という訳ではありませんが、蓄電池を設置するだけのスペースは求められます。

3番目については次の項目で詳しくご紹介していますが、蓄電池にも寿命があります。

4番目の「電気ロンダリング」というのは、太陽光発電システムが導入されている場合にのみ発生する可能性があることなのですが、電気料金の安い夜間に充電を行い、その蓄電池内の電力を余剰電力として売電するということです。

日中に蓄電池を使ったことによって太陽光発電の余剰分が増え、その余剰分を売電するということであれば何も問題はありませんが、故意に蓄電池内の電力を余剰分として売電することは電気ロンダリングに当たります。

なお、現在市販されている大手メーカーの「太陽光発電+蓄電池システム」では、このような電気ロンダリングはできないようになっています。

寿命

充電することで繰り返し使える蓄電池ですから、いつまでもずっとほぼ永遠に使えるような錯覚を受けるかも知れません。

しかし、実は寿命があります。ほんの少しずつではありますが、充電と放電を繰り返す度に劣化が進んでいくのです。

種類 寿命 サイクル
リチウムイオン電池 10年 4000回
NAS電池 15年 4500回
鉛蓄電池 自動車用:3年
定置式:20年
自動車用:650回
定置式:3000回
ニッケル水素電池 6年 2000回

※サイクル:充電0%から充電して充電100%に、その状態から放電して充電0%になるまでの充放電1セットを何回繰り返せるかという意味です。

家庭用蓄電池の寿命は?

一般に家庭用蓄電池と呼ばれるものは「リチウムイオン蓄電池」が採用されています。サイクルは約4000回で、1日に1,2回充放電を行うと想定した場合、寿命はだいたい10年となります。

容量が大きければ使える電力量が増え、充放電のサイクルが延びますから、期間で見ると寿命は長くなる傾向にあると言えます。

また、使用頻度や電力の使用量が大きくなればなるほど、すぐに蓄電されていた電力がなくなってしまって充電を必要とするため、充放電のサイクルは短くなります。こちらを期間で見てみると、寿命は短くなる傾向にあります。

長寿命 短寿命
容量が大きい 容量が小さい
使用頻度が低い 使用頻度が高い
電力使用量が小さい 電力使用量が大きい

主な蓄電池メーカー一覧

蓄電池を扱っている主なメーカーを一覧にまとめてみました。

パナソニックやシャープなどといった世界的電機メーカーだけではなく、蓄電池やバッテリーを専門で扱っている技術力の高い中小メーカーもご紹介しています。

メーカー 解説
パナソニック 日本最大の総合家電メーカー。2008年までは松下電器産業として営業。様々な種類の蓄電池を扱っていて、家庭用も産業用も用意。
シャープ 液晶画面や太陽電池などの分野で強みを持つ総合家電メーカー。住宅用エネルギーソリューションシステムの中に「クラウド蓄電池システム」が含まれる。
京セラ スマートフォンや太陽電池などの分野で特に知られている電気機器メーカー。同社では屋外に設置できるタイプのリチウムイオン蓄電システムを扱う。
NEC コンピューターや通信機器などに強い電機メーカー。スマートハウスやスマートビルなどのエネルギー分野にも力を入れていて、容量の大きな蓄電池の製造も行う。
ソニー AV機器の世界最大手として知られる電機メーカー。ウォークマンやプレイステーションなど世界的に広く知られているブランドを展開。蓄電池に関しては主にビジネス用を手掛ける。
デンソー 日本有数の自動車部品メーカー。世界最大の自動車メーカーであるトヨタ自動車のグループ企業。熱機器や電化製品なども幅広く手掛けていて、蓄電池やHEMSやエコキュートなども扱う。
GSユアサ 電池や電源システムの製造販売を主に行っている企業。自動車用バッテリー・産業用鉛蓄電池・太陽光発電用パワーコンディショナなど様々な商品を手掛る。
ニチコン コンデンサやスイッチング電源などの製造開発を行っているメーカー。室内リモコンが付いた大容量の蓄電システムも販売。電気自動車のV2HシステムであるEVパワーステーションも扱う。
ナユタ スイッチング電源や医療機器用電源などを扱っているメーカー。一般にはあまり知られていないものの、業界内ではよく知られている。CUBOX(キューボックス)という名前で蓄電システムを販売。
フォーアールエナジー 再生可能バッテリー事業を主軸として展開している2010年誕生の比較的新しい企業。電気自動車用のリチウムイオンバッテリーの製造開発が主だが、家庭用蓄電池も扱う。
エナックス リチウムイオン蓄電池の製造を主な事業として行っているメーカー。1996年から研究開発に取り組んでいて、家庭用のポータブル電源から産業用システムインテグレーションまで、蓄電池に関することを幅広く扱う。
エリーパワー 大手ハウスメーカーのダイワハウスグループやシャープなどの出資を受けている蓄電池メーカー。極めて高い安全性を誇るという点が一つの特徴で、認証機関による11項目の厳しい検査をクリア。

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